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千年村プロジェクトとは

2017年3月3日 (金) 04:58時点におけるAkiyo03 (トーク | 投稿記録)による版

目次

千年村とは

〈千年村〉とは、千年以上にわたり、自然的社会的災害・変化を乗り越えて、生産と生活が持続的に営まれてきた集落・地域のことをさします。 様々な変容を受け入れつつ、長い存続の歴史を持ちつづけてきた場所には、長期的生存にまつわる仕組みがすでに育まれているはずです。日本の多くの地域はむしろ健全であるがゆえに無名でした。

千年村プロジェクトの目的

千年村プロジェクトは、全国の〈千年村〉の収集、調査、公開、認証、交流のためのプラットフォームとして構想されました。2011年に発生した東日本大震災後に、優れた生存立地を発見しその特性を見出すことの必要性を感じたことが発端です。関東と関西に研究拠点を持ち、環境・地域経営・交通・集落構造という4つの場所の要素を重要視し、それらに関する諸分野の研究者・実務者らによって運営されています。

千年村プロジェクトの方法

長期にわたって持続してきた優れた生存立地を客観的に見出すにはどのようにすればよいのでしょうか。そのような立地は必ずしも有名ではなく、むしろ人知れず続いてきたのかもしれません。私たちプロジェクトはそのような普通に優れた立地を探すために以下の客観的な発見方法と評価手法を確立しました。
1. 古代地名による候補地の収集
日本では、1000年以上も前の古文書の中に多数の地名が記載されています。たとえば平安時代の辞書『和名類聚抄』には約4000もの郷名が記載されています。千年村プロジェクトでは、これまで地名学者らによって明らかにされた比定地の中から、具体的な場所が特定できる1977件の場所を地図上にプロットして公開しました(2015年)。これらを千年村候補地として位置づけました。
また別の古文書を用いてさらにプロット作業は続けられています(2016年、北海道と沖縄を追加)。この作業によって、従来の活動とは比較にならない多数の候補地の存在を明らかにしました。
さらに、この候補地のデータベースが呼び水となって、多くの方々から新たな〈千年村〉の報告や訂正報告がもたらされることを期待しています。
2. 千年村候補地への訪問と認証作業
千年村プロジェクトはこれら候補地のデータベースをもとに、実際に現地におもむいています。環境・地域経営・交通・集落構造の各分野にもとづいたその持続要因の分析と、その地域の性格を把握しています。そしてその地域が良好な生存条件を保っていることを確認した場合には、その地を〈千年村〉として認証しています。またその際に得られた知見は、優れた立地一般の条件として同プロジェクトの学的成果として蓄積されています。
3. チェックリストの公開と審査作業その学的成果は、立地を評価する際の千年村チェックリストとして客観化され、公開されています。このチェックリストを使って、多くの方々が自らが生活する場所の特性を知ることができるでしょう。またこのチェックリストを用いて、千年村プロジェクトに千年村認証を依頼することが可能です(審査にかかわる費用が発生します)。千年村プロジェクトによって千年村として認証された地域は、同プロジェクトによる認証千年村として以下の権利が与えられます。
 ・千年村プロジェクトホームページ(http://mille-vill.org/)における認証千年村としての紹介
 ・同ホームページ内、千年村マップにおける認証千年村独自のカラーによる位置プロットと概要紹介
 ・千年村プロジェクトからの千年村認定証
 ・また一定の条件における、地域の認証千年村の名称や千年村プロジェクトのロゴマークの使用の許可

4. 千年村の応援
今後、全国の〈千年村〉が相互に交流、知識の交換を行いうる場の確立をめざします。また私たちプロジェクトはその地域の持続的地域づくりの提案、活動に参画します。

千年村プロジェクトの活動拠点の紹介ならびに活動メンバー

関東研究拠点
早稲田大学創造理工学部 建築学科・中谷礼仁研究室
〒169-8555
東京都新宿区大久保3-4-1 55N-8F-09
Tel(fax):03-5286-2496

千葉大学大学院園芸学研究科 緑地環境学コース・木下剛研究室
〒271-8510
千葉県松戸市松戸648 A棟 3階 301
Tel:047-308-8877

関西研究拠点
京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科・清水重敦研究室
〒606-8585
京都市左京区松ヶ崎橋上町
Tel(fax):075-724-7266


千年村プロジェクトメンバー