礪波郡八田郷(富山県)

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緯度経度	36° 32' 31" 北, 136° 55' 35" 東

その所在地は明らかではないが、「三州志」は近世の高瀬郷内江田村（現在の東礪波郡福野町江田）を遺称地かとし、「日本地理志料」もこれを受けて、高瀬郷からさらに井口郷・能美郷の地域にかけて当郷を比定している（現在の東礪波郡福野町・井波郷・井口村・城端町にまたがる地域）。一方「越中志徴」は、「三州志」の説を退け、近世の山田郷（現在の西礪波郡福光町から東礪波郡城端町にかけての山田川沿いの地域）を遺称地かとする。これらに対し、「地名辞書」は現在の小矢部市畠中を遺称地かとするが、これは当郷の名称を「はた」とよむことに基づくものである。「和名抄」の礪波郡の郷名記載順序は川上・八田・川合・拝師というように配列するが、川上郷が小矢部川の上流山麓部一帯に、川上郷が福野町野尻地区付近に求められるとすれば、上記の諸説の当否は別にしても、やはり当郷の所在地は福野町南部から井口村、井波町にかけての地域に比定される。（p.871）

※『和名類聚抄』の郷名比定地について