「千年村チェックリスト作成マニュアル(案)」の版間の差分
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→千年村では居住地は生産地より地形的に高い位置にあることが多いです。<br> | →千年村では居住地は生産地より地形的に高い位置にあることが多いです。<br> | ||
'''過去の航空写真'''では、戦後の開発による変化を時代ごとに見ることができます。<br> | '''過去の航空写真'''では、戦後の開発による変化を時代ごとに見ることができます。<br> | ||
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+ | このページはチェックリストで一番重要な部分になります。項目ごとに書いていた集落の情報を重ね合わせて、実際に評価してみましょう。<br> | ||
+ | 具体的な記入のイメージについては、[[千年村をみるまなぶ|過去の事例]]をご参照ください。<br> | ||
+ | まずは、'''環境・地域経営・交通・集落構造'''の4分類についてそれぞれ評価していきます。<br> | ||
+ | ここでは、環境であれば「Ⅰ 環境」の欄に記述してある内容を元に記入してください。<br> | ||
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===8ページ目 集落の写真について=== | ===8ページ目 集落の写真について=== | ||
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2017年3月10日 (金) 08:11時点における最新版
ここでは、千年村チェックリストの具体的な書き方のコツを紹介します。
各ページの内容に沿って説明していますので、チェックリスト記入の参考にしてください。
なお、記入の際には過去の事例や千年村認証基準もあわせてご参照ください。
目次 |
1ページ目 概要について
ここでは、記入者や集落の基本的な情報について記述していきます。
◯記入者情報
本チェックリストの提出は、地域の意思として扱われることになりますので、必ず自治会長など集落を取り仕切る方を代表者として記入してください。代表者の連絡先住所は、公民館や自治会館などの住所で構いません。
また、提出者を代表記入者として、複数名での記述を推奨します。
0 集落の概要
集落の名称:
基本的には大字名を記入してください。なお、広い大字などの場合、その中の1集落を選択しその名称を記入する場合もございます。→小川島(群馬県利根郡みなかみ町下津小川島)
歴史的地名:
古文書における歴史的地名を記入してください。また、それが何の古文書によるものなのか記載してください。なお、千年村ホームページにおいて発見された場合は、「和名類聚抄」(平安中期)(沖縄の場合は「おもろさうし」、北海道の場合は「アイヌ語地名」)になります。
面積・人口・世帯数:
国・県・市などの調査をもとに面積・人口・世帯数を記入してください。また、それが何年度の調査であるか明記してください。
なお、これらの情報は、国勢調査から引用できます。「人口統計ラボ」というWebサイトがオススメです。
合併の歴史:
集落に関係する合併の歴史を市史やインターネットなどからわかる範囲で記入してください。
合併の歴史として大きなものは、明治の大合併・昭和の大合併・平成の大合併などがあります。
地域の記録
対象の集落が含まれる市史・村史などを発行年・著者名と共に記入してください。
各項目の記入に際して、大きく役立つでしょう。
2ページ目 集落の地図について
集落の全体像把握や次ページ以降の項目説明に役立ちます。大字領域を明記してください。また、以降の項目で記入された各情報の位置(川・神社・街道など)をその名称とともに示してください。
以下に、大字領域を表示する簡単な方法を示します。
① Google Mapsを開く
② 対象集落の住所を記入 (◯◯県△△市□□)
③ 大字領域が赤線で表示される
④ 航空写真表示にして、印刷やスクリーンショットをする
3ページ目 環境について
このページでは、集落の立地特性や、どのように生産を行っているかなどの地域資源の利活用について客観的に確認します。
各項目の書き方は過去の事例をご参照ください。
ここでは、各種情報を入手する方法について簡単に説明します。
地図からわかる立地情報に加えて、市史などの地域史や長く集落に住んでいる方々の話を用いてチェックリストを埋めてください。
千年村マップから見る
千年村プロジェクトが提供している千年村の地図では、多彩な情報を載せている国土地理院による地理院地図や、その他多くの地図を一つにまとめて掲載しています。
この地図を使えば、簡単に集落立地に関する情報を得ることができます。
【古いところを探す】
例えば、古い集落を探す場合、迅速測図(明治初期)を用います。
山名(群馬県高崎市山名町)を事例に見てみましょう。なお、赤線(大字領域)と青線(おおまかな住宅の位置)は分かりやすいよう加筆しました。
現在の航空写真(左)と迅速測図(右)を比べると、どの場所が古いのか一目瞭然です。
山名では、山地の集落と街道沿いの集落の二つを古いところと見ることができます。
このように、地図を比較することで集落の立地特性について分析することが可能です。
他にも、
土地条件図では、その場所の地形分類や自然的条件などをみることができます。
→台地・段丘・自然堤防等では安定した地盤を持ち災害に対して居住地立地の妥当性がある可能性が高く、谷底平野・盛土地等では災害に対して居住地立地妥当性がある可能性が低いといったことがわかります。
色別標高図や川だけ地形図では、集落内外における微細な地形変化をみることができます。
→千年村では居住地は生産地より地形的に高い位置にあることが多いです。
過去の航空写真では、戦後の開発による変化を時代ごとに見ることができます。
ハザードマップを見る
「ハザードマップ」とは、一般的に「自然災害による被害の軽減や防災対策に使用する目的で、被災想定区域や避難場所・避難経路などの防災関係施設の位置などを表示した地図」とされています。 「国土地理院 ハザードマップ」より引用(2017.03.10)
ハザードマップを見るには、各市町村によって公開されている情報の他、それらをまとめた国土交通省ハザードマップポータルサイトを利用するのが便利です。
ハザードマップによって、その集落での災害危険区域を見ることができます。我々の過去の調査では、古い集落は災害危険区域を避けて立地している傾向にあることが分かっています(浸水想定区域には生産地を設けているなど)。
また、山地の集落などで土砂災害危険区域に入っており、実際に土砂災害があった場所でも、古い住宅への被害は出たことがないといった集落もありました。
→山名(群馬県高崎市山名町)
このように、長く続いてきた集落は災害を回避する術を持っているのです。
4ページ目 地域経営について
5ページ目 交通について
6ページ目 集落構造について
7ページ目 自己評価について
このページはチェックリストで一番重要な部分になります。項目ごとに書いていた集落の情報を重ね合わせて、実際に評価してみましょう。
具体的な記入のイメージについては、過去の事例をご参照ください。
まずは、環境・地域経営・交通・集落構造の4分類についてそれぞれ評価していきます。
ここでは、環境であれば「Ⅰ 環境」の欄に記述してある内容を元に記入してください。
4分類すべて評価し終えたら、それら全体を通して集落の持続要因について総合評価します。