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「2023年度海士町主催フォーラム参加報告」の版間の差分

(記事の作成)

2023年6月19日 (月) 09:44時点における版

2023度年海士町主催フォーラム参加報告
さる2023年6月17日、島根県隠岐島の海士町町役場里山里海循環特命担当課が主催したフォーラムに参加しました。
「島のエコロジーを〈つくる〉 食べるかたち・住むかたち」と題され、同地期の未来の資源循環の再構築を目的とするものでした。



⚫︎海士町について
海士町は「地方創生のトップランナー」と謳われるほどの町です。その地域の魅力に移住者が増え、2009年(平成21年)には日本で最も美しい村連合にも加盟しています。生きるためのいろいろなノウハウを開発・実践されており、特に現代を生き抜く地域経営については学ぶことはたくさんありそうでした。

このフォーラムでは生環境構築史の同人が招聘されました。私はそのメンバーでもありましたので参加しました。
フォーラムの自己紹介では、それぞれが個別におこなってきたことを紹介して、地元からのコメント、意見をもらいつつ活発に論議をしようということになりました。
報告者は、〈千年村〉プロジェクトのメンバーでもありましたから、海士町に千年村認証参加のお誘いをしました。

⚫︎報告について
「千年村」という言葉の響きも重要ですが、やはりその地域の良さを古代地名のプロットによって紹介することに、ひとりよがりではない客観的な裏付けがあること、これが〈千年村〉プロジェクトの方法論の大事な点だと改めて思いました。
短い時間でしたがフォーラムでは認証〈千年村〉のメカニズムや千年村大会のことも報告し、使えるものはなんでも使っていただきたい精神で、認証〈千年村〉の輪に入っていただくことを提案して終わりました。

⚫︎報告を終えて
会場の中から、海士町に〈千年村〉候補地が三つしかないのは疑わしい、個人的にはもっとたくさんの地域が千年村ではないかというコメントをいただきました。
本当におっしゃる通りで、〈千年村〉候補地は単に一つの記録に残っていた地点であり、優れた環境立地はそれ以上にたくさんあったでしょう。
候補地は地域活性化の呼び水に過ぎず、重要なことはそこで生きる人々とその生活に依拠することです。

⚫︎隠岐島島前三村における〈千年村〉候補地
本土から離れた日本海の島ですが、〈千年村〉候補地の存在とその立地は俄然目を引きました。
*あくまでも限定的な記録に基づくものです。優れた持続的環境は他にも多数あると思います。
・海士町
布施郷(和名抄より)http://mille-vill.org/海士郡布勢郷(島根県)
海部郷(和名抄より)http://mille-vill.org/海士郡海部郷(島根県)
佐作郷(和名抄より)http://mille-vill.org/海士郡佐作郷(島根県)
・西ノ島町
知夫郡美田(日本荘園データベースより)http://mille-vill.org/隠岐国知夫郡美多庄(荘園)
知夫郡宇賀牧(日本荘園データベースより)http://mille-vill.org/隠岐国知夫郡宇賀牧(荘園)
・知夫里島
知夫郡知布利(日本荘園データベースより)http://mille-vill.org/隠岐国知夫郡知布利(荘園)

⚫︎最後に
夕食時に島製の日本酒を振る舞われました。一般に島は水の確保が困難なところなので、蒸留酒である焼酎が多い傾向にあると思っていましたから、日本酒の存在には驚きました。ラベルを見て取水地に「天ノ川」と書いてありました。
離島直前にレンタサイクルで1時間かけてその場所にたどりつきました。なだらかな山の姿と長い谷戸が続くおおらかな内陸部でした。水量が豊富に含まれていそうな麓にその湧き水がありました。今でも大事に管理されています。清冽な味がしました。
天ノ川から中心部の役所までは低い山を一つ越えることになります。山道をこえると人々の大地が広がります。道の脇にはおそらく古くからの人々の営みに似たパノラマが広がっていました。
自分の体を使って大地をなぞることは地域をいろいろな感覚で理解することができます。水に会いに行ってよかったと思いました。
千年村プロジェクトはまだまだ続きそうです。


文責 中谷礼仁