2015年度利根川水系調査 高崎市山名町・根小屋町調査成果物
2015年度の利根川水系調査のうちの一つに、多胡郡山字郷・片岡郡佐没郷への調査があります。ここは、それぞれ現在の高崎市山名町・根小屋町に比定されている千年村です。山名町への調査の際に、郷土史会の方々とお話をして、この地域は古くから上記の二つに加え木部町・阿久津町が合わさり「南八幡」という強いつながりを持って持続してきた事が分かりました。
2015年度の調査は、地元へのスピーディーな還元を目指して、千年村プロジェクトの学生を中期的に送り込み十分なヒアリングと調査を行った上で、地元で公開ワークショップを行うことにしました。南八幡地区でのワークショップの最終テーマは、村の観光ポスターとマップを作ること。そのワークショップの成果が上記ポスターになります。
裏側(下)にあたる千年村マップの中にはこれまでの千年村の歴史と、これからの千年を続けていただくための地区のキャラクターをたくさん織り込んでいます。ワークショップでは地元の郷土史会の方々の承認を受けた下絵を元に、その場でリアルタイムで情報を織り込んでいく手法をとりました。かなり細かく現地の人と改訂を施し、プロジェクションで成果を見ながら、満場一致のオーソライズを行いました。
表側(上)は「観光ポスター」です。大事なのはその地区のキャラクターを一気に表すイメージとキャッチフレーズです。これも学生による下案を元にしていますが、大変興味深い出来事がありました。 ワークショップでは、10個程度のキャッチフレーズ案から良いものを選び、それをさらにブラッシュアップしていく方法をとりました。採用された初期案は、「川が生んだ人のなりわい」でしたが、なんかしっくりこない、パンチがないとみな悩んでいました。そのとき、参加された古老が、発言しました。「ここは一つの川によって豊かになったのではなく、二つの川が合流したから土地が肥えたんです。」それを聞いて、みなが、そうだそうだ、の連呼となり、最終キャッチフレーズはめでたく
二つの川が生んだ人のなりわい
となりました。「二つ」をいれたことで、地域の基本的特性が見事に定着したと思います。このキャッチフレーズを頭に入れておけば、いろいろなことに応用できます。
<制作>
千年村プロジェクト南八幡調査メンバー
中谷礼仁
- 学生調査員
早稲田大学 太田紀子/鈴木明世/鈴木登子/松木直人
千葉大学 近藤真/永井朝樹
<協力>
- 南八幡郷土史会 小嶋会長ほか25名のみなさま
- 南八幡公民館のみなさま