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山口市鋳銭司地区和西集落における詳細調査報告

2015年2月と7月に山口情報芸術センター(YCAM)と共同で行った、山口市鋳銭司地区和西集落における詳細調査の成果を山口情報芸術センター(YCAM)にて展示しています。 映像や模型など非常に充実した展示となっていますので、ぜひ足を運んでみてください。

  • 開催日時

2015年11月14日(土)〜2016年2月14日(日)
10:00〜20:00

  • 休館日

火曜日

以下、山口情報芸術センター(YCAM)ホームページ「屋垂れの村ー山口市鋳銭司地区和西集落における詳細調査報告」からの引用

古代から続く鋳銭司地区と近代化

今回、千年村プロジェクトの調査を実施した鋳銭司地区は、戦後の高度成長期に山陽自動車道や新幹線の開通などにより、近代的な都市機能を引き受けながらも、古代から長期にわたって受け継いできた都市機能の痕跡を今に留める場所です。

鋳銭司地区には、石器の出土からも分かるように、原始より人々が生活を営んでいた形跡があり、7世紀には八千郷という地名で呼ばれていたことが分かっています。現在の地名は、平安時代に貨幣を作る役所「鋳銭司(じゅせんし)」が置かれた時代より始まり、中世、大内氏の時代には、山陽道と秋穂から山口へと通る街道が交わる場所として、内外の文化的交流点となってきた地域です。その後、幾多の動乱や、近代化、高度経済成長といった時代の波を受けてもなお、702年に創建されたと伝えられる熊野神社を始め、中近世に形成されたと考えられる水田や家屋配置といった特徴的な集落構造を維持し続けてきました。そして、これらの集落構造にとどまらず、生活様式や住居空間とともに、古来の精神性が、根強く保たれてきたと考えます。

今回の詳細調査では、千年村プロジェクトとともに、鋳銭司地域の中でも比較的古い土地柄である「和西」を中心に、民俗について住民の方々への聞き取り調査をおこなった他、民家の実測調査や、ドローンによる上空からの地勢の記録と分析、水田の水系調査などを実施してきました。

本展は、この研究調査の報告として公開するものです。調査時の記録映像と合わせて、民家や地形の模型などを紹介することで、調査資料に体感的な肉付けをおこない、新たな分析と発見を促します。