青地一郎 様
朝日新聞の記事をご覧いただき、また本サイトへお越しいただきありがとうございました。
滋賀県の栗太郡梨原郷につきまして、詳細な情報を提供いただきありがとうございます。 本プロジェクトでは、『和名類聚抄』に記載のある郷のうち、地名研究者による成果を元に現在地に比定できる地域をプロットいたしました。詳細なプロット手法についてはこちらをご覧ください。 それらの場所は、平安期からそこで生産と生活が行われてきたと仮定して「千年村候補地」としています。 青地様が研究されている滋賀県栗太郡梨原郷については、大きな環境変化があるにも関わらず、人々の営みが持続的に現在まで続いてきたのは非常に興味深いことだと思います。 私どもは当地域の調査を行なっていないため、詳しいことをお答えすることができません。これまで調査した関東の千年村候補地では、傾向として段丘上や自然堤防上などの地盤が安定している場所や山際の微高地などに旧集落が残っており、その周囲で生産や開発を行なっているものが多かったです。梨原郷が比定される地域では河川事業は扇状地で行われており、地域内に段丘で周囲より高くなっている場所があるようですので、上記の傾向に当てはまるものかもしれません。(以上は、あくまで土地条件図や航空写真などからの簡単な推測です。) 条理への変化、河川事業による大規模な環境変化は、その他の地域へと展開できる重大なテーマであると考えられます。今後、千年村プロジェクトによる研究が展開し、もし新たな情報がわかりましたら改めてお答えさせていただきます。引き続きよろしくおねがいいたします。
また滋賀県の「現在地に比定できなかった郷名」につきましてはご指摘の通り誤った情報が反映されておりました。少々時間はかかってしまいますが訂正させていただきます。ご指摘いただきありがとうございます。
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